ワインを普段から楽しんでいる方は一度は当たったことがある【ブショネ】
当たったことがない人は『気づいていない』だけかもしれないですね。
変な味がするね。
なんだか臭いし・・・
恥ずかしいからガマンして飲もう・・・
『あのワイン美味しくなかったね・・』
で終わって損しちゃったことありませんか?
逆に『これブショネだから替えてください』ってズバッと言えたらモテちゃうかもしれませんよ。笑
ここで一度【ブショネ】を学んで『まずいワイン』を二度と飲まされないようにしておきましょう!
ソムリエ関連の別の記事は下記をご覧ください
- テイスティングとは、意味や注意点は?【ソムリエ・ワインエキスパート】
- ワインテイスティングの基礎知識、【香りの分類11選】
- ソムリエ・ワインエキスパート二次試験対策、テイスティングの出題割合【過去24品種】
ブショネとは (bouchoneé)
ブション(bouchon) = フランス語でコルクのこと
ブショネ(bouchoneé)とは『コルク臭』とも呼ばれ、プロならキャップシール*をはがした瞬間臭いでわかります。
*キャップシール = ワインボトルの先に被せてあるカバーのこと
見た目では判断できないので、嗅ぐのが一番手っ取り早いです。
(めちゃクセ〜)
コルク臭の原因は【TCA=トリクロロアニソール】と言い、カビ臭気の原因物質です。
ワインのタイプに問わず
- 赤ワイン
- 白ワイン
- デザートワイン
- シャンパン
コルクが使用されていれば『ブショネ』は全てのワインに起こり得ます。
カビ臭がつく原因【3つ】のステップ
【有機塩素化合物】
ペンタクロロフェノール(PCP)
2,4,6-トリクロロフェノール(TCP)
フェノールね
PCPやTCPがある種の微生物によりメチルアルコール化し『トリクロロアニソール』が生成される
カビ臭ワインの誕生
トリクロロアニソールが原因なんですね!
ブショネの確率は概ね5%と言われています。
確率的には20本飲んだら1本はブショネなんですよ。
マイクラで例えるなら『村人ゾンビがスポーンする確率』と一緒なんです。
そんなにあるの〜?
ワインだけでも年間で1兆円はくだらないという損害報告があります。
ミネラルウォーターや日本酒でも被害の報告が出ているんですよね。
ブショネの見分け方
『ブショネ』はコルクの見た目だけでは分かりづらいので、香りで判断するのが一番。
前項で解説した『TCA=トリクロロアニソール』ってめちゃくちゃ臭いんです。
25mプールに0.005g溶かしただけで、90%の人が『くさい』と感じたという報告が上がっています。
すごい臭さですね
それぐらいの人が臭いって感じる物質なんです。
そんなこと言われても『かめくすさん』
ワインのブショネって素人には分からないですよ
大丈夫!
簡単に解説するかめ〜
ブショネの『におい』の特徴
- 木の匂い
- どっかで嗅いだことのある『カビ』の匂い
- 教室のうしろにある掃除用具入れの『ぞうきん』の匂い
- 鼻を刺すような『おがくず』の匂い
還元臭
ブショネではないですがちょっと変わった臭いがするワインもあります。
- ゆで卵のにおい
- 温泉の硫黄のにおい
この臭いは『還元臭(かんげんしゅう)』と言ってブショネではないので時間がたてばなくなります。
ソムリエがワインをデキャンターに移すのも『還元臭』を飛ばす理由の一つですね。
還元臭とブショネを間違えないでね
ブショネを確認する方法
- まず初めにワインが注がれたら香りを嗅いでみます
・ひどいものになるとこの瞬間で分かります
・上の特徴に当てはまればブショネです - グラスを回して空気に触れさせます
・空気に触れると香りが立つのでもっと分かりやすくなります
・還元香なら徐々になくなっていきます - 時間を置いて温度が上がると更に臭いが増します
・冷たいと香りが立ちにくいので、時間経過とともに飲んでいるうちに気づく場合もあります
・ソムリエでも分かりづらいブショネはありますがここで確信します
ブショネは飲んでも問題ないと言われていますが、無理して飲む必要は絶対ないです。
私の経験上もったいないから無理して飲んで胸やけした覚えがあります。
やっぱりワインは美味しく飲みたいですよね
ブショネに当たってしまった時の対処法
酒販店の場合
購入したお店に連絡して替えてもらいましょう。
信頼を売っているお店ならブショネは替えてくれます。
私はブショネを替えてくれないお店は利用しないです。
酒販店は輸入元から返金してもらえるのでお店に気を使わなくても大丈夫ですよ
レストランの場合
思い切って言いましょう!
これブショネっぽいんですけど・・・
申し訳ございません💦
すぐにお取り替えいたします
ソムリエがいるお店だったらまず『ブショネ』は出てこないはずですが、なんらかの事情で誤って提供してしまうこともあります。
ブショネならもちろん交換してくれるので、恥ずかしがらずにソムリエを呼びましょう!
ソムリエは真摯に対応してくれますよ。
コルクの種類
先にも述べましたが『ブショネ』は年間1兆円の損失がありワイン業界の死活問題と言われています。
苦労して造ったワインの5%が水の泡って絶望的ですよね。
『ベッドで寝る寸前に干さなきゃいけない洗濯物が洗濯機に入っているのを思い出した時』よりも遥かに絶望的です。
そんなブショネを回避するためにコルクにもいろんな種類があります。
天然コルク
天然コルクは『コルク樫(コルクガシ)』の樹皮から作られており、主にヨーロッパで栽培されています。
ポルトガルとスペインで全世界の8割を占めています。
国別生産量 | 割合 |
---|---|
ポルトガル | 52.0% |
スペイン | 29.5% |
イタリア | 5.5% |
アルジェリア | 5.5% |
モロッコ | 3.7% |
チュニジア | 2.5% |
フランス | 1.1% |
天然コルクは高級ワインで使用されることも多く、長さは4mm〜5.5mmぐらいまであります。
私が使用しているソムリエナイフなら簡単に開けることができますが、家庭にあるコルクスクリューだと途中でコルクが折れてしまうこともあるので注意が必要です。
コルクが短いと瓶内の空気が多くなるので、酸化が早いとの研究報告がありますが、長ければ良いってものでもないようです。
天然コルクは残念ながらブショネのリスクは一番高いです。
合成コルク
別名:代替コルクとも言います。
若干ゴムっぽい『アレ』です。
プラスチックなどの合成素材で作られていて、見た目はコルクっぽいですが、ブショネのリスクはなくなります。
コスト的なメリットがある代わりに、ちょっと見た目が安っぽいので高級感が損なわれるデメリットがあるのも否めないです。
機密性は天然コルクよりも低いです。
圧搾(圧縮)コルク
素材的には100均で売っているコースターやコルクボードのイメージです。
『100均』って考えると安いイメージがありますが、1本のワインにコスト100円をかけるってまあまあの金額ですよね。
天然素材よりも比較的安価な合成コルクでも高価なものがあります。
コルクをよく見て『DIAM(ディアム)』と書いてあればこれに当たります。
1本40ドルするものもあるかめ
天然コルクの切れ端を細かく砕いて生成していて、製法上ブショネのリスクはかなり低いとの報告がされています。
>>ディアムの製造工程【動画】 ▶︎
(ちなみに英語です)*わかる方だけどうぞ
DIAMの文字の横に『2』,『3』,『5』,『10』と数字が書かれていたら、その数字がコルクの品質保証年数です。
手元のコルクを確認してみてくださいね。
30年もつものもあるかめ
スクリューキャップ
最近はフランスの古くからあるワイナリーでもスクリューキャップを使用するところも増えてきました。
- 一番安い
- ブショネのリスクはゼロ
- 開けるのが簡単
ただ空気が外に漏れやすいので長期保存には向いていないようですね。
それとワインを開けるときに『雰囲気』が味わえず高級感がないのがデメリットのひとつです。
ワイン保存の注意点
あなたは抜栓後のワインを保存する時はどうしていますか?
コルク臭がついているコルクをそのまま逆さに差していたりしませんよね!?
せっかくコルクが今まで頑張って『くさい匂い』を中に入れないようにしていたのに、あなたがコルクを逆さに差したら、ブショネがワインに移っちゃいますよ!
1日で飲みきれずに余ってしまったワインはコルクを差さないで保存する方法があります。
それがバキュバンです。
バキュバン
『バキュバン』といいゴム栓を差して、空気を抜いて真空に近い状態にする画期的なアイテムです。
空気入れの逆バージョンのイメージです。
コルク臭を再度つけることもなくなりますし、さらに酸化しづらくなり2~3日は保存可能となります。
ソムリエは営業終了後にバキュバンで『シュポシュポ』やるのが日課です
ゴム栓は個別で買えるので一度に数種類のワインを楽しみたい人は購入しておいた方が良いですね。
ちなみにシャンパン用もあるので紹介しておきます。
シャンパンストッパー
シャンパンのコルクは頑張っても差せませんよね。
ラップと輪ゴムでしばっても次の日にはシュワシュワが無くなってる・・・
もったいないから昨日ムリして飲んだら頭いたい・・・
明日も楽しみたいから取っておきたいな・・
こんな経験ありませんか?
せっかくのシャンパンを『次の日の楽しみに取っておきたい』ってことがあると思います。
そんな時はシャンパンストッパーの出番です。
割と安いので1個買っておいても損はないです。
価格は安いけど使いやすく、お店でもなんだかんだ使用頻度が一番高いです。。
【送料無料】の金額合わせに使うのも良いかもしれないですね。
まとめ
今回は『ブショネ』について解説しました。
専門的なので知らない人は多かったのではないでしょうか?
『ブショネ』をおさらいすると
TCA=トリクロロアニソールが原因
- 木の匂い
- どっかで嗅いだことのある『カビ』の匂い
- 教室のうしろにある掃除用具入れの『ぞうきん』の匂い
- 鼻を刺すような『おがくず』の匂い
こんな匂いがしたら要チェックです。
ブショネは飲まないようにしてくださいね!
最後までお読みいただきありがとうございます。
少しでもあなたのお役に立てればと思います。
ワインは語るんだよね〜。またね!
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